リーダー像を模索する
販売経験を活かし、アパレル企業の総務人事職として再スタート
学生の頃からファッションに興味がありました。「アパレル業界で働きたい」と思い、就職活動をしていました。ただ、求人自体が今と比べるとかなり少なく、かなり厳しい時代でしたね。入社したのは外資系アパレル企業でした。
やはり、販売目標が設定されていましたし、ベテランのスタッフが多くて、本社へと抜擢されるチャンスも多くはなさそうでした。私自身、初めは販売員からのスタートであっても、「いつかは本社で働きたい」と思い続けていました。「このままだと自分の想いが叶えられないのでは」と判断し、5年目に退職することを決めました。
ナイスクラップが募集していた職種は、総務人事でした。しかも、未経験でOK。念願であった本社勤務であり、「販売員の経験が何らかの形で役立つのではないか」と考え、応募しました。
面接自体がもう何年ぶりかでしたから、すごく緊張したことを覚えています。そんな私の気持ちを和らげようとしてくれたのか、仕事絡みの質問だけでなく雑談を交えて対応していただき、面接の印象がとても良かったです。良い雰囲気で面接が進んでいき、「現場の気持ちを反映した仕事をしていきたい」という想いをしっかり伝えられて、内定をいただきました。
諦めかけていたブランド運営に携わるチャンスを得る
入社後は、総務人事部で総務関連の業務をメインに担当しました。仕事柄、社内のさまざまな部署と接点を持ちます。しかも、元々男性社員が少ない会社ですし、本社に男性社員が入ってきたのは久しぶりということもあったので、皆さん快く接してくれました。
総務の仕事にもだいぶ慣れてきた3年目に、日頃からお世話になっていたブランド長から、「ブランド担当へと異動してこないか」と誘ってもらったんです。嬉しかったですね。親しくしていただいていたので、「この人の下で働いてみたい」という気持ちがありました。また、一度は諦めたブランド運営に携われるかもしれないと思ったら、「ぜひやってみたい」という気持ちが強くなりました。
新たに担当することになったのが、“ピュアルセシン”というブランドの在庫管理。途中から生産管理も兼務しました。具体的には、どの店舗にどの商品を何点入れるか、その商品をどのようなスケジュールで生産してもらうかなどを管理する仕事でした。
それらを4年ほど経験したところで、上司であるブランド長から「営業部長になることが決まったので、ブランド長を引き継いでもらえないか」と持ち掛けられました。正直言って、ものすごく驚きました。何しろ、ブランド長はブランド全体の統括責任者です。求められる役割も商品の企画提案や数量・価格の決定、マーケティング方法の立案、お店づくり、スタッフの人事など多岐に渡ります。まさに、ブランドの方向性を決めた上で、スタッフ全員を導き、数字を作っていく責任の重い仕事です。「果たして自分に務まるのだろうか」という不安がありました。スキルや経験においても、まだまだそこまでの自信がなかったというのが正直な気持ちでした。
ブランド長に就任して最初に挑んだのが、ブランドの方向性を転換することでした。それまでは、ナチュラルテイストの商品を40代から60代という年代の方向けで、百貨店を中心に販売していました。これを30代・40代をターゲットとして、トレンド感のあるカジュアルウェアへと切り替えたのです。
もちろん、私一人のアイデアではありませんでした。前任のブランド長も前向きな意見をくれましたし、ブランドに関わる全員の総意でもあったと思っています。実は、検討を進める過程であることに気づきました。自分の意見を強く打ち出すのではなく、皆の意見を引き出し、取りまとめて実行していく。そんなスタイルの方が自分の性格に合っているということです。それからは、できるだけ多くのメンバーからヒアリングする機会を設けました。肩書きはブランド長であっても、年齢的にはこのブランドの中で一番年下です。それだけに話しやすいと感じてもらえたのかもしれません。皆から寄せられる色々な意見を踏まえて決めるようにしました。このスタンスは、今も変わっていません。
既存ブランドだけではなく、サステナブルなブランド【F&B (FEEL GOOD CONNECTION AND BLISSFUL TIME)】も立ち上げました。もともとオーガニックコットンを使った商品を作っておりましたが、昨今の環境配慮(SDG’s)の取り組みから、リサイクルポリエステルなどを使った商品を制作しています。社会的にも注目されているサステナブルに力を入れ、別のブランドや商品と一緒に販売しています。
メンバーの成長を支援することが自分の役割
ナイスクラップの魅力は、本人の意見を受け入れてもらいやすいことです。私がブランド戦略の転換をしたときのように、熱意を伝えれば、「まずはやりたいようにやってみて」と言ってもらえます。もちろん、責任を持って取り組まなければなりませんが、チャレンジする機会があるのは嬉しいことです。ブランド戦略の転換をプレゼンする機会をいただけなかったら、今の結果はなかったわけですからね。また、チームワークの良さも見逃せません。とにかく、皆仲が良いです。部署を越えて色々な立場の方々とコミュニケーションが取れたり、アイデアをもらえたりします。
自分らしさを活かしたリーダーを目指す
私にとっての直近の目標は、今担当しているブランドの売上を安定的に伸ばして、会社に貢献していくことです。そのためには、店舗もメンバーの数ももっと増やしていく必要があると思っています。
レディースアパレルの会社だと「女性の活躍が中心なのでは」とイメージされるかもしれませんが、そんなことは決してありません。むしろ、ナイスクラップは男性にお勧めです。お客様やスタッフに女性が多い職場であるからこそ、男性からの客観的な意見が貴重であったりします。求められていると言っても良いくらいです。また、基本的には男女に関わりなく平等にチャンスがある会社です。男性社員で、マネジメント志向が強い方は、将来的には本社に異動する可能性もひらけています。自分の意欲次第でキャリアを大きく広げていける環境であると言って良いでしょう。実際、ブランド長だけでなく、役員にも男性が何名も名を連ねています。「ゆくゆくは幹部候補を目指してみたい」という方も、私のように元々リーダータイプではない方も、会社としてしっかりサポートする環境が整っています。
総務人事
営業
ブランド長